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本革の代役、人工素材

2016.10.13


天然革に近い質感へ

昭和20年代以降、天然皮革の代替品として合成皮革、人工皮革が開発されました。素材の品質にムラがなく安価で扱いやすい半面、経時劣化しやすく、傷の補修が困難というデメリットもあります。

合成皮革(合皮)

合成皮革は、不織布や織物といった布地の表面に合成樹脂を塗布し型押しをして天然皮革に近い質感に仕上げた人工素材です。表層の樹脂の違いにより、ポリウレタン樹脂を使用したPUレザー、塩化ビニル樹脂を使用したPVCレザーの2種類に大きく分けられます。 PUレザーはフェイクレザーと呼ばれ、しなやかで柔らかく、本革に近い質感をしています。軽量でお手入れが簡単ですが、湿気や紫外線などで加水分解を起こすので長期間使用すると劣化して表面がぼろぼろになります。一方、PVCレザーはPUレザーよりも硬くツルツルとした質感で、汚れや水に強いという特徴があります。こちらも経時劣化により表面の樹脂コーティングが割れたり、硬くなったりします。

人工皮革

人工皮革は、人工的に本革の構造や機能を再現した素材です。ポリエステルやナイロンなどの繊維を織り込んだ不織布にポリウレタン樹脂を浸透させ、その上にポリウレタン樹脂や塩化ビニル樹脂などを塗って本革のようなデザイン加工を施すことで、より天然革に近いソフトな質感や風合いに仕上げています。通気性、耐水性、耐久性、耐摩耗性に優れていますが、長期間使用すると徐々に劣化するため、本革のようにエイジングを楽しむことはできません。