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さまざまな革の持ち味 1

2016.04.10

革の個性を活かす

バッグや財布小物などの革製品には、最も比率の高い牛革から馬、羊などの哺乳類から両生類、爬虫類などのあらゆる種類の革が使用されています。また、同じ動物でも成長の度合いによって革の特徴は異なりますので、それぞれに持ち味があり、製品の趣を楽しむことが出来ます。 ここでは革製品の主な材料となる家畜の皮革について紹介します。

– 牛革 –

■カーフスキン 生後6ヶ月以内の子牛の革。きめが細かく柔らかで傷も少ないため、高級革製品の素材として使用されます。生後3ヶ月以内の子牛の革はベビーカーフと呼ばれ、高級素材として扱われるカーフスキンの中でも特に希少価値の高い素材です。 ■キップスキン 生後6ヶ月~2年以内の牛革。カーフスキンと比較するときめの細かさは若干劣りますが、やや厚みがあり丈夫です。カーフスキンに次ぐ上質な素材として扱われます。 ■カウハイド 出産経験のある生後2年以上経過した牝牛の革。厚みやきめの細かさはキップスキンとステアハイドの中間で、多くの革製品に使用されます。出産経験のない牝牛の革はカルビンと呼ばれ、カウハイドより上質とされます。 ■ステアハイド 生後3~6ヶ月の間に去勢した、生後2年以上経過した牡牛の革。最もポピュラーな牛革で、牛革製品のほとんどはステアハイドです。きめはやや粗く、厚みがあり丈夫なため使い勝手の良い素材です。 ■ブルハイド 去勢されていない生後3年以上経過した牡牛の革。牛革の中でも最もきめが粗く厚くて硬いのが特徴です。主に靴底や工業用として使用されます。 ■ハラコ 牛の胎児や生後間もない子牛の革。出産前に死んだ雌牛の胎児や死産した子牛の革を使用するため、流通量は少なく、牛革の中でも最高級素材として扱われます。 ■ジナマ(地生) 国内産の牛革。一般的に国産牛の革は管理状態が良いため、輸入牛革と比べて傷が少なく高品質とされます。

– 馬革 –

■ホースハイド 馬革。「ハイド」とは大きな動物の革のことです。牛革と比べると柔らかく滑らかな手触りですが、革の強度は劣ります。 ■ホースフロント 馬の首の革。ホースハイドよりもきめが細かく柔らかいのが特徴です。 ■コードバン 馬の臀部の革。馬革全体の約1割しか採取できない希少な革。繊維が緻密で丈夫であり、しっとりとした美しい光沢があるのが特徴です。主に革小物や高級紳士靴に使用されます。 ■ポニーレザー ポニーと呼ばれる小型の馬の革。子馬の革という意味ではありません。軽くてソフトな質感が特徴で、鞄や革小物に多く使用されます。毛付きのポニーレザーは最高級牛革とされるハラコの質感と似ているため、ハラコの代替素材として用いられることがあります。

– 羊皮 –

■ラムスキン 生後1年以内の子羊の革。軽くて柔らかく滑らかな質感が特徴です。 ■シープスキン 生後1年以上経過した成羊の革。ラムスキンと比較するときめの細かさは若干劣りますが、薄く滑らかでソフトな質感です。

– ヤギ皮 –

■キッドスキン 子ヤギの革。非常にしなやかで柔らかく生産量が少ないため、高級素材として扱われます。 ■ゴートスキン 成ヤギの革。ややきめが粗いですが、しなやかで型崩れしにくく強度があります。

– 豚皮 –

■ピッグスキン 摩擦に強く丈夫で傷が付きにくく、銀面(革の表面)に独特の毛穴模様が見られるのが特徴です。国内で自給可能な皮革素材です。 ※注釈:小動物の革をスキンといい、大きい動物の革をハイドといいます。ハイドは大判サイズで厚手で重く、牛革では重さが30ポンド(136kg)以下をスキン、それ以上のものがハイドでといいます。