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カテゴリー: カバンのお手入れ・保管

【お手入れの基本】革製品への防水スプレーの選び方と使い方

2021.04.30

革製のバッグや靴のお手入れには欠かせない 防水スプレー。雨や汚れによるシミ、色落ちなどを防いでくれる私たちの強い味方ですよね!
ですが、誤った選び方、使い方をしているとかえってバッグや靴を傷つけてしまうこともあるようです。梅雨がやって来る前に、正しい防水スプレーの選び方と使い方をマスターしちゃいましょう!!

 

防水スプレーの選び方

結論を先に申し上げますと、革製品に使用するならフッ素樹脂系のスプレーがおすすめです。
防水スプレーは大きく分けて、シリコン樹脂系とフッ素樹脂系の二つがあります。以下でそれぞれの特徴を説明します。

シリコン系は、表面に皮膜を作りことにより、繊維の隙間を埋めることで水の浸透を防ぎます。
表面をコーティングするので即効性はありますが、その一方で通気性が失われてしまう為、革のひび割れなどの劣化やカビの原因につながります。

フッ素系は、革の繊維一本一本に水の分子よりも細かいフッ素樹脂を浸透させることで撥水させます。水だけでなく油を弾く特性をもっているため、食べこぼしなどを防ぐ効果もあります。
一番の特徴は、通気性がよく、革の風合いを損なうことなく防水できることです。また、スムースレザー、スエード、ヌバックなどにも使用でき、商品によっては革の撥水性を高めつつ、栄養も与えることができます。
撥水効果はあまり長持ちしませんので、繰り返しスプレーすることで撥水効果を上げましょう。

 

防水スプレーの使い方

・まずはじめに、防水スプレーを使う為の環境が整っているか確認しましょう。
・ベランダや玄関先など、十分に換気されている場所での使用がおすすめです。(防水液が垂れることもあります)
・防水液を吸い込まないためのマスク、直接触れないためのゴム手袋などを装着するのも良いでしょう。
・防水スプレーに記載された注意書きは一通り目を通しましょう。
・スプレーを吹きかける前に、バッグなどについた汚れやほこりなどはブラシなどで落としておきましょう。
・色の薄い革や変色の恐れがある時は、目立たないところで試してみましょう。
・スプレーは対象物から30㎝程度離して、全体にムラなく吹きかけます。水が浸入しやすいファスナーやステッチ部分は念入りに。
・革の表面がしっとりする程度が目安です。濡れたように色が変わりますが、乾いたら元に戻るので問題ありません。
・防水スプレーを馴染ませるために30分ほど時間を置きます。(スプレー直後は防水効果が低いため、外出時には余裕をもってケアしておきましょう。)表面が乾いたら柔らかくきれいな布で軽く拭いて下さい。見えにくいところに、1,2滴の水をかけてみて、水が弾かれることが確認できれば完璧です。

 

以上、防水スプレーの選び方、使い方でした!是非、おうち時間に試してみてくださいね!

 

 

【注意してください】猛暑×汗 による革製品の色落ち。

2021.04.23

毎年ゴールデンウィークを過ぎたあたりから夏日が本格化し、上着を羽織ることなくバッグを持つことが増えてきますよね。すると増えてくる悩みが、“汗ばんだ服とバッグが擦れていつの間にか色落ちしてしまった。”というもの。年々、ビジネスバッグもリュック派が増えていますが、夏場はどうしても肩から背中にかけての汗と摩擦が気になりますよね。。。
後悔先に立たず…今年こそは原因と対策を理解して、お気に入りのバッグと服を守りましょう!

 

色落ち、色移りしてしまう原因

革製品が色落ち、色移りしてしまう大きな原因は湿度と摩擦です。そのため、身に着けている服、革製品のどちらか片方が濡れていると少し摩擦がかかっただけでも色落ち・色移りが起きてしまいます。
革は染料、顔料といった薬品で染色しており、染料自体が水に溶けやすいため、濡れたり、摩擦が起きると色落ち、色移りしてしまうのです。夏場や梅雨のシーズンは湿度が高いため革の色が落ちやすい上、汗が革に染み込んで蒸れるため、革と服の摩擦も起こりやすくなります。
(色が落ちないように加工することもできますが、革そのものの風合いや色を生かし、経年変化(エイジング)を楽しめる革に仕上げるために、あえて加工を抑えた製品もあります。)

 

色落ちを防ぐ方法

悲しいことに革の色落ちを“完全に防ぐ”ことはできません。革の染色は低温で行う為、もともと色が定着しにくい上、革を柔らかくする為に使用する加脂剤には革と染料の結合を弱める作用があるためです。低温染色も加脂剤も革を上質に保つためには欠かせない工程です。
以上を理解したうえで、思いがけない色落ち・色移りが起きないよう、メンテナンス、対策していきましょう。
・日ごろから防水スプレー(フッ素系のもの)を吹きかけておく。
【お手入れの基本】革製品への防水スプレーの選び方と使い方を合わせてご覧ください。)
・高温多湿になる場所に長い時間放置しない。(車の中など)
・バッグの持ち手など、特に色移りが気になる場所にはスカーフを巻く。
・雨予報の日はなるべく使用しない。どうしても使用する場合は折りたたみ傘、レインカバーを併用する。

 

いかがでしたか?色落ち・色移りの完全防止策はありませんが、対策を知れたことで少し安心感が持てたのではないでしょうか。夏は水分補給と防水対策(革製品)を忘れずに、おしゃれを楽しみましょう!

 

 

合皮素材の正しいお手入れ方法と保管方法

2021.03.10

黒地のバッグを身に着けてたら、日焼け止めが付いて白くなっちゃった!なんてことございませんか?
実は先日、お客様から合皮素材(合成皮革)のバッグに付いた汚れの落とし方についてのお問い合わせがございました。
業者に依頼しなくても、自宅で簡単にできるお手入れ方法と保管方法をご紹介しますので、是非参考にしてみてください!

 

合成皮革

合成皮革(ごうせいひかく)=合皮とは、天然素材の布地の上に、合成樹脂を塗布し、表面層を天然の革に似せた人工素材のこと。
合成樹脂=ポリ塩化ビニル(PVC)やポリウレタン樹脂(PU)
これらの合成樹脂を表面に塗り、型押しすることで、見た目や触感を天然の皮革に近づけているのです。

 

合皮についた汚れの落とし方と注意点

◆おしゃれ着用の中性洗剤を使用する場合は、ぬるま湯で薄めた洗剤水(※)を作ります。布を濡らし、液だれしない程度に堅く絞って、合皮の素材全体を優しく擦ります。ピンポイントに汚れが気になる場合は、とんとんと叩くようにして汚れを落としましょう。最後は水拭きと乾拭きを行い、洗剤の残りが付着していないか、乾いているどうかを確認したうえで保管してください。(中性洗剤以外の洗剤を使用すると、合皮の色落ちや、合皮素材自体に傷がついたり変質して傷めてしまう可能性が有りますのでご注意ください。)汚れが付着したままになっていたり、きちんと乾燥していないと、かえって劣化やカビの原因となってしまいます。
◆重曹を使用する場合は、重曹と水で重曹水(※)を作り、メラミンスポンジなどを使って、合皮の素材全体をしっかりと優しく擦りましょう。最後は水拭きと乾拭きを行い、重曹の残りが付着していないか、乾いているかどうかを確認したうえで保管してください。

※薄めた中性洗剤の作り方⇒30度~40度のぬるま湯1Lに対して30mlの洗剤を入れてゆっくりかき混ぜる。(念のため、使用する中性洗剤の取り扱い説明書などをよくお読みください。また、初めてお手入れされる場合は前述した分量より少ない量の洗剤でお試しされることをお勧めします。)
※重曹水の作り方⇒水100mlに対して小さじ1(5g)の重曹を入れてゆっくりかき混ぜる。(初めてお手入れされる場合は、バッグの内側の目立たないところで試し、問題がないか確かめるようにしてください。)

 

合皮に汚れをつきにくくするには

合皮専用の艶出し用ワックスや保護クリームを使うと、汚れやほこりの付着を事前に防ぐことができます。(※合皮専用クリーナーやワックスなどを使用する場合は取扱説明書をよくお読みください。)

 

合皮バッグの保管方法

合成皮革素材の寿命は約3年と言われています。そのため大切に使っていても表面がボロボロと剥がれてきたり割れが生じてきます。寿命による劣化は致し方ないですが、正しく保管して使用による劣化を最小限に抑えましょう。

◆通気性のいい場所での保管がマスト。合皮は高温多湿に弱いため、クローゼットではなく風通しの良い場所か空調のある部屋で保管して下さい。それが難しい場合は定期的に日陰干しするか、クローゼット内に除湿剤を置くなどして対応しましょう。
また、バッグの中にはお菓子などに入っている小さなシリカゲルや、丸めた新聞紙をタオルなどで覆ったものを入れておくと湿気対策と型崩れ防止が同時にできるのでお勧めです。
◆異素材のものと密着させない。素材によっては色移りの原因となります。どうしても密着を避けられない場合は、100円均一などでも手に入る不織布の袋などに入れ、接触を避けて保管しましょう。

 

合皮のお手入れと保管方法、いかがでしたか?
今まではあきらめていた汚れも自宅にあるもので対応できるので、心とお財布に少しだけゆとりが生まれましたよね!保管方法も簡単に実行できるものばかりなので是非試してみてください!

 

レザーアイテムが長持ちする保管方法

2021.03.03

意外と知らない?保管方法

革製品は長期間放置しておくと、カビや型崩れで台無しになってしまうことがあります。大切なレザーアイテムを長く美しく使うために、適切な方法で保管をしましょう。

 

カビは革の大敵!

湿気と栄養分はカビの大好物。手指の油やクリームのたっぷり付いた革製品を湿度の高い場所で保管すると、簡単にカビが生えてしまいます。まずは保管する前に、柔らかい布での乾拭きやブラッシングでカビの養分となる汚れを落としておきましょう。
その後は風通しのよい日陰で陰干しをして乾燥させます。本革は熱に弱いので、直射日光やドライヤーなどの熱を当てることは避けてください。

 

きれいな形を保って保管する

バッグを保管する際は、型崩れ防止と湿気取りのために、紙やタオルを丸めて詰めましょう。新聞紙は湿気を吸収しやすいのでオススメですが、内装にインクの色がうつる恐れがあるので、タオルやキッチンペーパーなどで包んでから詰めてください。
その後、傷や埃がつかないように不織布のような通気性のよい素材の袋に入れ、直射日光が当たらない通気性のよい場所で保管します。自立するバッグの場合は、立てて置くと型崩れせずに保管できます。

 

たまには休憩を

本革のバッグや小物は、長く使えば使うほど深い味わいを楽しめます。しかし使いすぎると革が疲れて型崩れしてしまうこともありますので、時々は休ませてあげましょう。複数のバッグや小物を交代で使用し、使わない間は良い状態で保管しておくと、お気に入りのレザーアイテムを一層長くお使いいただけるはずです。

 

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皮革製バッグや革製品のメンテナンス

2021.03.03

長く使えるお手入れ術

レザーアイテムをお手入れって難しそうだし面倒かも…。そんなイメージをお持ちではありませんか?実は、普段のお手入れは乾拭きとブラッシングで十分なんです。乾いた柔らかい布で軽く拭いたり、馬毛ブラシでブラッシングをすることで乾燥の原因となる埃が落ち、革のもつ油分が表面に出てくることで美しいツヤが生まれます。ただし、スエードなどの起毛革は乾拭きできない素材なので、専用のブラシでブラッシングしてお手入れしてください。

 

汚れてしまったら…

汚れは時間が経つと取れにくくなるので、もし汚れてしまったら早めにケアをしましょう。まず柔らかい布で乾拭きしてみてください。乾拭きで落ちない場合は、布をぬるま湯で濡らして固く絞ってから拭き、もう一度乾いた布で拭きます。それでも落ちない場合は、革製品専用のクリーナーを布につけて優しく拭き、汚れを落とします。革製品専用クリーナーは汚れを落とすだけでなく、革のツヤ出しや保護効果があるものもあります。ただし塗りすぎるとシミの原因になる場合があるので、目立ちにくい部分で試してから使用するようにしましょう。スエードなどの起毛革には使用できないクリーナーもあるので、素材と使用方法に注意してください。

 

定期的なメンテナンス

大切な革製品をいつまでも綺麗に使うために、1~2ヶ月に1度はメンテナンスをしましょう。普段のお手入れと同様に乾拭きやブラッシングで埃を落としたら、革専用のクリームで革に潤いと栄養を与えます。クリームを柔らかい布につけて全体に薄くのばしていきます。ゴシゴシと力を入れてこすると、革が傷んでしまうので優しく塗ってください。塗り終わったら、余分なクリームが残らないように全体を乾拭きしてください。(クリームをつけることで多少の水分を防ぐ効果があります。)
クリームでのお手入れの後は、革製品用の防水スプレーを全体にまんべんなく振りかけて撥水・防水処理をしましょう。かけすぎるとシミになる場合があるので、目立ちにくい部分で試してから使用してください。

 

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目々澤鞄でも皮革製のバッグ・財布などを豊富にお取り扱いしております。
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蛇革(ダイヤモンドパイソン)のお手入れ方法

2019.04.22

アルカン ピトンドールご購入のお客様からお問い合わせがありましたので、ご返答いたします。

質問:

先日アルカン ダイヤモンドパイソン柄財布を購入しました。うろこが少しめくれてきています。お手入れ方法を教えてください。

 

回答:

-蛇革は時間と共に経年変化を楽しむことができる-

蛇革はバッグや財布の曲線にカーブしているところや、ウロコの大きい部分は先端が浮きやすいですが、それは本物であるという証拠です。無理に引っ張ったり剥がしたりしない限り、日常生活で使用する分であればウロコが剥がれてしまったり、取れてしまうことはほとんどないので安心してください。

蛇革は繊細な素材と思われがちですが、加工(グルージング仕上げのでは糊付け)されることで繊維の構造が丈夫になり長い期間楽しむことができる素材です。
購入したばかりの時はお手入れする必要がないと思われがちですが、この時にきちんとお手入れするかによって長持ちするがどうかが決まるといっても過言ではありません。

使用前に爬虫類専用の防水スプレーを使うことで、汚れにくい革にしてくれます。この時にツヤ感のある蛇革の場合は30㎝くらい離してからスプレーをして、蛇革にスプレーが浸透したら柔らかい布で拭きあげます。最初は、スプレーの量を少なめにして試しながら浸透するのを待ってお使いください。

日常的なお手入れは使用した後に馬毛ブラシでブラッシングしたり、柔らかく乾いた布で軽く鱗の流れに沿って拭き、ホコリや汚れを落とすだけで大丈夫です。日常的に使用する場合は1ヶ月に1度、あまり使用しないアイテムはワンシーズンに1度くらい防水スプレーをしてください。

材質別・革のお手入れ方法~大好きな鞄と長く付き合うために~

2017.01.25

鞄と長く付き合うための、革の種類ごとにお手入れの方法をご紹介いたします。

革鞄にとって天敵なのは湿気と汚れです。革は使い込むほど味が出ると言いますよね。しかし、お手入れを怠って酷使してはすぐに痛んでしまいます。革にたっぷりと栄養を与え、柔らかくしなやかな状態に保つことで理想的な風合いが生まれてきます。そのためには、革の材質に合わせたお手入れ方法と適切なメンテナンスグッズを活用していきましょう。

 

◆スムースレザー◆
柔らかい布でこまめに拭くことが基本です。まずはブラシでホコリをはらい、乾いた柔らかい布で乾拭きします。そして、革用のクリーム を塗り、ブラシ※で丁寧に馴染ませたら仕上げにクロスで拭き取ればなめらかでツヤのある革に仕上がります。

※馬毛のものなどがおススメ

◆起毛革◆
起毛革とは、ベロア、スエード、ヌバックなどのことを言います。ホコリや汚れがつきやすいため、ゴムタイプのブラシでブラッシングします。クリームは使えないので、仕上げは保革性のある防水スプレーを使い、栄養を与えつつ色あせや汚れを防止していきましょう。

◆エナメル◆
一般的な革よりも水に強く、汚れを落とすのは湿らせた布で拭くだけです。しかし、表面の光沢を維持するためにはエナメル専用のクリーナーで定期的なケアが必要になります。また、汚れを落とした後に専用クリームで磨き上げるとひび割れに効果的です。

◆ヌメ革◆
柔らかで味のある材質です。シミになりやすいため、防水スプレーを事前にかけておくことが重要になります。汚れはゴムタイプのクリーナーを使って落とし、ひどい雨ジミができてしまった場合は、サドルソープを適切に使用しましょう。

 

まとめると…
1、湿気対策。
使い始めに、材質にあった防水スプレーを吹きかけておきましょう。雨などで濡れてしまった場合は、すぐに乾いた布でたたくようにして水滴を吸い取り、風通しの良いところで陰干しします。

2、汚れ対策。
汚れは、カビの原因にもなります。基本的には汚れ落としのクリーナーと保革クリームを使用し、こまめなお手入れをしていきましょう。何を使うかは革の材質によって異なるので、適切なものであるかをきちんと確認しましょう。

3、長期保存。
長く使わない場合は、念入りにお手入れをしてから湿気やホコリの少ないところに保管します。紙などをつめて形を整え、購入時についてくる袋に入れておくと良いでしょう。時々取り出して、日陰で風通しすることが大切です。

※鞄にも休息が必要です。長持ちさせるためには、型崩れや痛みのもとにならないよう複数の鞄を交代で使いうのが良いですね。