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目々澤鞄ブログ

カテゴリー: バッグ・財布の基礎知識

時間とともに美しく変化する革

2016.11.08

自分だけの味わいを楽しむ

使い込むほどに深くなる飴のようなツヤと色合い、しっくりと肌に馴染む触り心地…。そんなレザーアイテムの変化を「エイジング(経年変化)」と呼びます。革は日光や皮脂などを吸収したり、革のもつ油分が馴染むことで、徐々に風合いが変化していきます。ぴかぴかの新品よりも、エイジングの進んだ革のほうが味わい深く魅力的だという人も少なくないでしょう。
エイジングの効果はヌメ革やオイルレザー、ブライドルレザーなど、タンニンなめしや染料染めの革で出やすいです。特にヌメ革はタンニンなめしのみで仕上げた「すっぴん」状態の革のため、色合いや光沢感に顕著な変化がみられます。
変化がみられるのは見た目だけではありません。革財布のカードポケットなど、最初は革が硬くてカードの出し入れがしにくくても、使い続けるうちにカードに馴染む形へと変化していきます。このような風合いや形の変化を楽しめるのは、革の大きな魅力です。

 

革のアンチエイジング

味わい深くなる経年変化とは逆に、経年劣化は避けたいもの。雑に使い続けると、乾燥して革の表面がひび割れてしまうことがあります。肌のお手入れと同じく、革製品も劣化を防ぐアンチエイジングが必要です。乾拭きやブラッシングで汚れを落とし、1~2ヶ月に1度は革専用のクリームで革に潤いを栄養を補給してください。簡単なメンテナンスをしてあげれば、大切な革製品をより長く使うことができます。
アンチエイジングを行い、天然皮革本来の美しいエイジングを楽しみましょう。

 

≫≫皮革製バッグや革製品のメンテナンスのページはこちら

≫≫レザーアイテムが長持ちする保管方法のページはこちら

 

本革の代役、人工素材

2016.10.13

天然革に近い質感へ

昭和20年代以降、天然皮革の代替品として合成皮革、人工皮革が開発されました。素材の品質にムラがなく安価で扱いやすい半面、経時劣化しやすく、傷の補修が困難というデメリットもあります。

合成皮革(合皮)

合成皮革は、不織布や織物といった布地の表面に合成樹脂を塗布し型押しをして天然皮革に近い質感に仕上げた人工素材です。表層の樹脂の違いにより、ポリウレタン樹脂を使用したPUレザー、塩化ビニル樹脂を使用したPVCレザーの2種類に大きく分けられます。 PUレザーはフェイクレザーと呼ばれ、しなやかで柔らかく、本革に近い質感をしています。軽量でお手入れが簡単ですが、湿気や紫外線などで加水分解を起こすので長期間使用すると劣化して表面がぼろぼろになります。一方、PVCレザーはPUレザーよりも硬くツルツルとした質感で、汚れや水に強いという特徴があります。こちらも経時劣化により表面の樹脂コーティングが割れたり、硬くなったりします。

人工皮革

人工皮革は、人工的に本革の構造や機能を再現した素材です。ポリエステルやナイロンなどの繊維を織り込んだ不織布にポリウレタン樹脂を浸透させ、その上にポリウレタン樹脂や塩化ビニル樹脂などを塗って本革のようなデザイン加工を施すことで、より天然革に近いソフトな質感や風合いに仕上げています。通気性、耐水性、耐久性、耐摩耗性に優れていますが、長期間使用すると徐々に劣化するため、本革のようにエイジングを楽しむことはできません。

安心と信頼の証

2016.10.08

マークの意味をご存知ですか?

天然皮革製品は、厳正な審査を経て、品質の保証や、適正な手法での原料の輸入・加工などを証明するマークが発行されます。革の鞄や小物を安心してお使いいただけるように、代表的なマークについて紹介します。

 

JRA

全日本爬虫類皮革産業協同組合(全爬協、Japan Reptile Leather Industries Association)の頭文字を取ったもので、日本やアジア各国で商標登録されています。これはワニ、蛇、トカゲ、オーストリッチ等のエキゾチックレザー製品が、ワシントン条約に基づいて適正に輸入され、日本国内で製造されたことを証明するマークです。全爬協は1981年以降、該当商品にJRAのタグ、織りネーム、しおりの3点をつけて販売する事業を進めています(ベルトはタグとしおりの2点、時計バンドはシールのみ)。

 

ジャパンレザープライド

日本国内で生産された天然皮革素材のイメージアップを目的として作成されたマーク。国産の天然皮革を使用し、国内で製造されたバッグや小物などにこのマークのタグが付けられています。国産皮革の生産者としての誇りをもち社会的責任を果たすことへの意識を高め、消費者に安心を届けるマークです。

日本エコレザー

日本エコレザー基準(JES:Japan Eco Leather Standard)に適合し、「製品の製造・輸送・販売・再利用」のサイクルの中で、環境負荷の低減に配慮し、環境面への影響が少ないと認められた革材料。天然皮革、発がん性染料不使用、有害化学物質(ホルムアルデヒド、重金属、ペンタクロロフェノール、禁止アゾ染料)に関する検査済み、吸気が基準値以下、排水や廃棄物が適正に管理された工場における製造、染色摩擦堅牢度が基準値以下、という6つの条件をクリアした革製品のみ表示することができます。

 

レザーマーク

天然皮革であることを証明し、品質に対する信頼と販売促進を目的として国際タンナーズ協会が定めたマークで、一般社団法人日本タンナーズ協会がこのマークを商標登録しています。1987年以降、鞄、ハンドバッグ、靴、ベルト、手袋、衣類の6分野で、各分野に合う文字を使ったマークが使用されています。

 

 

 

マグネットホックにご注意!

2016.09.08

マグネットホックのトラブル

マグネットホックとはその名のとおり磁石の力でくっ付くホックで、マグネットボタンとも呼ばれています。ハンドバッグや財布のかぶせ部分や、鞄のポケット部分などに多く利用されています。留める際に押し込む必要がなく、スマートに開閉ができてとても便利なのですが、実はこのマグネットホックで思わぬトラブルが生じることもあります。
バッグなどのマグネットホック部分にクレジットカードやキャッシュカード、通帳の磁気テープなどが触れると、データが破損して使えなくなる場合があります。トラブルを回避するために、磁気を使用するカード類はマグネットホックから離して収納するようにしましょう。

さまざまな革の持ち味 2

2016.09.01

エキゾチックレザー

牛や馬などの革に対し、爬虫類、鳥類、魚類などの特徴的な模様をもつ革を「エキゾチックレザー」と呼ばれます。独特の雰囲気を醸し出すエキゾチックレザーの特徴について紹介します。 それぞれ特徴的な持ち味があり、カバン、財布小物など製品の趣を楽しむことが出来ます。

– カンガルー革 –

■カンガルーレザー(kangal ) 牛革(カーフスキン)とよく似ており、薄くてしなやかながら強度に優れた素材。高級皮革として扱われます。サッカーや野球のスパイクなど、スポーツシューズとして使用されることもあります。

– 鹿革 –

■ディアスキン(deer) 牝鹿の革。丈夫で柔軟性があり手触りのよい質感で、通気性が良く蒸れにくいのが特徴です。傷が付きやすいので取扱いには注意が必要です。

– 象革 –

■エレファントレザー(elephant) 輸出入の規制が厳しく特に希少価値の高い高級素材。厚みがあり耐久性・耐摩耗性に非常に優れています。独特の大きなシワや模様があり、コシのあるしなやかな質感です。

– 駱駝革 –

■ラクダ革(camel) 希少性が高く、欧州では高級素材として扱われる革。しなやかで厚みがあり、耐久性は牛革の約2倍といわれています。

– ダチョウ革 –

■オーストリッチ(ostrich) ダチョウの胴体の革。柔軟性で厚みがあり、強靭な耐久性を誇ります。羽毛を抜いた後にできる丸い突起(クイルマーク)が特徴ですが、このクイルマークがみられる部分は革の約4割と少なく大変貴重視されています。 ■オーストレッグ(ostrich leg) ダチョウの脚の革。爬虫類のうろこのような独特の模様があります。

ワニ革

■クロコダイル(crocodile) イリエワニ、シャムワニ、ナイルワニ、ニューギニアワニの革。凸凹とした独特のうろこ模様が特徴で、革の王者とも呼ばれるワニ革の中でも最上級とされます。柔らかな質感の腹ワニ、ゴツゴツとしたハードな質感の背ワニと、使用部位によって特徴が異なります。 ■アリゲーター(alligator) アメリカに生息するミシシッピワニの革。クロコダイルと比較すると少々ハリが弱いですが、主にバッグやスーツケースなどの大型製品に使用されています。こちらも高級ワニ革として扱われます。 ■カイマン(caiman) 石ワニとも呼ばれるワニ革。背中と腹のうろこは硬く、脇腹部分が素材として使用されます。クロコダイル、アリゲーターより価値は低いですが、強度があり水や傷に強い性質があります。

– 蛇革 –

■パイソン(python) ニシキヘビの革。個性的な斑紋模様が人気の素材です。連続した美しいダイヤモンド模様の「ダイヤモンドパイソン」、石垣模様の「モラレスパイソン」などがあります。

– トカゲ革 –

■リザード(lizard) リングマークトカゲ、ナイルオオトカゲなどの大型トカゲの革。細かいうろこ模様が特徴で、爬虫類革の中でも人気の高い素材です。

– 鮫革 –

■シャークスキン(shark) サメの革。強度があり耐水性に優れているので、お手入れのしやすい素材です。凸凹した網目状のシボ(しわ)がありざらついた感触ですが、使い込むほどにツヤが出てくるのが特徴です。

– エイ革 –

■スティングレイ(stingray) アカエイの革。シャグリーン、ガルーシャとも呼ばれます。傷に強く耐水性に優れており扱いやすい素材です。ガラスビーズを散りばめたような見た目で、硬くて光沢感があります。「スターマーク」と呼ばれる白い斑点をアクセントにしたデザインが人気です。 ※注釈:小動物の革をスキンといい、大きい動物の革をハイドといいます。ハイドは大判サイズで厚手で重いです。

歴史にかかわった運命のカバン

2016.08.05

 

「アドルフ・ヒトラー」といえば史上最も名高い独裁者として知られています。彼が何度かの暗殺未遂事件に遭遇している中で、最も危機的だった1944年に立案された暗殺・クーデター計画があります。

ドイツを破滅から救おうと参加した軍の上級将校たちは、大本営である「ヴォルフスシャンツェ」に爆弾を仕掛けることを計画しました。1944年7月20日の午後、爆弾入り鞄をヒトラーの足元に置くことに成功し、数分後に予通り炸裂しました。しかし、ヒトラーは軽症に留まり、クーデター計画も頓座してしまうことに…。ヒトラーの直近にいたブラントがテーブルの脇に鞄を置きなおしたことで、威力が半減したのです。

その後の歴史は、私達が知っている通りのものですが、1945年5月、それに伴う降伏が早まっていたら歴史が大きく異なっていたでしょう。あの日置かれた鞄は、大きく歴史を変えていたかもしれない「運命のカバン」なのです。

歴史をたどってみれば、「運命のかばん」や「企みのカバン」が見つかるかもしれませんね。そんなワクワク感あります。

革だけじゃない!バッグや小物の素材

2016.08.04

天然繊維と化学繊維

鞄や小物の素材には、皮革以外に布地も多く利用されます。まここでは各素材の特徴についてご紹介します。

 

天然繊維には、麻・絹・羊毛などがあり、その糸の太さは「番手」で表し、その生地の厚さは「号数」で表します。

 

化学繊維には、アクリル・ナイロン・ポリエステル等の合成繊維と、天然繊維を原料で製造するレーヨンなどの再生繊維に大きく分類されます。その糸の太さは「デニール」で表します。

目々澤鞄のナイロン製バッグの商品ページでも デニールの表記をしていますので、是非ご確認してみてください。 デニールの数字が大きいほど糸は太くなり、記事は厚く目が粗くなります。

布地の繊維

布地は、その原料により天然繊維と化学繊維の2種類に大きく分けられます。 天然繊維には、綿や麻などの植物繊維と、絹、ウール、カシミアなどの動物繊維があります。その中でも鞄や小物に最も多く使用されているのは綿(コットン)です。素朴で自然な風合いを楽しめ、肌触りが良く通気性に優れている半面、シワになりやすく、濃い色で染色された生地は洗濯などで色落ちしやすいという特徴もあります。 一方、化学繊維には、レーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ナイロン、アクリル、ポリエステルなどの合成繊維があります。その中でもナイロンは鞄などの生地に多く利用されています。安価で軽く、耐久性や耐摩耗性に優れており、シワになりにくく型崩れしにくいという特徴があります。バッグなどの素材に多く利用されています。また近年では、より安価で水に強くシワになりにくいポリエステル繊維を使用したバッグも人気を集めています。

ちょっとオシャレな素材

バッグや小物に使われる素材は、革や布の他にも、籐や竹、ストロー(麦わら)、紙、金属、ビーズ、ガラスなどがあります。涼しげで爽やかな印象を与える籐、竹、ストローなどは、春~夏向きのかごバッグの素材として多く使用されています。また近年では紙素材を編んで作られたペーパーかごバッグも登場し、その軽さから女性の人気を集めています。 きらきらとした金属、ビーズ、ガラスなどは、パーティーなどの華やかなシーンで使うバッグの装飾としてよく用いられます。またポーチや財布、カードケース、シガレットケースなどの小物に使われることも多く、ゴージャスで美しい雰囲気を醸し出します。

革の個性を生み出す仕上げ方

2016.07.25

さまざまな革の加工方法 なめした革を更に加工することで、仕上がりの風合いが異なります。加工により様々な個性を出すことができ、使途の幅も広がり個性的な鞄が生まれることとなってきました。 ここでは主な革の加工法について紹介します。 抜けている仕上げ方があれば、随時追記していきますね。

革の仕上げ方

■アメ豚:豚革(ピッグスキン)をタンニンなめしして研磨し、銀面に亜麻仁油を流した、艶のある飴色の革。
■印伝:鹿やヤギなどの皮をなめして染色し、漆で模様を描いて仕上げた革。
エナメル革:クロームなめしを施した革の銀面をポリウレタン樹脂などの仕上げ剤でコーティングした革。光沢のある質感で、比較的水に強い。
■エンボスレザー(型押し革):なめした革の銀面に熱を加えて型押しし、凹凸模様をつけた革。クロコダイルやパイソンなどの爬虫類革の模様が多いです。
オイルレザー:タンニンなめしを施した後、オイルを染み込ませて仕上げた革。ぬめり感のある独特のツヤがあり、使い込むほどに油が染み出て味のある風合いになります。
ガラス革(ガラス張り革):クロームなめしを施した革をガラスやホーロー板に貼り付けて乾燥させ、銀面をサンドペーパーで削って合成樹脂を塗布した革。光沢が強く、滑らかで硬い質感が特徴です。
■毛皮:獣毛がついた状態で皮部分をなめした革。
■銀つき革:皮をなめして染色しただけの、最も一般的な革。銀(銀面)とは革の表面のことで、この革の表面を生かした純粋な革を銀つき革といいます。分厚い革をスライスした場合は、一番外側の革のみが銀つき革と呼ばれます。
■グレージング仕上げ革:グレージングマシンと呼ばれるガラスや金属のローラーで革の銀面を強くこすり、ツヤを出したもの。
シュリンクレザー:なめし加工中に薬品を使用して革の表面を縮ませ、シボを目立たせた革。もみ革よりもシボ感の強い独特の風合いを楽しめます。
■スエード:革の裏面をサンドペーパーで毛羽立て、ベルベット状に起毛させた革。子ヤギの革(キッドスキン)、子牛革、羊革、豚革などが多く使用されます。毛足が短く、ソフトな手触りのものほど上質とされます。
■セーム革:鹿やヤギなどの皮を油でなめした革。きめが細かく柔らかな手触りで、洗濯ができます。
床革(とこがわ):革を2枚以上にスライスした際にできる、銀面のない部分の革。繊維が粗く強度が弱いため、価値は低いです。
ヌメ革:成牛革や豚革などをタンニンなめしのみで仕上げた、染色・塗装が施されていない革。革本来の表情が魅力的です。
■ヌバック:牛革の銀面(表面)を起毛させた革。スエードよりも毛足が短く、ややマットでしっとりとした質感です。
■バックスキン(Buck skin):牡鹿の革の銀面を起毛させた革。現在は、本物の鹿革を用いたバックスキンは希少です。丈夫でしなやかな手触りです。
ブライドルレザー:牛革にタンニンなめしを施した後、蜜蝋を染み込ませて仕上げた革。馬具に使用されるほど耐久性に優れ、深みのある光沢が魅力です。ブライドルレザーの特徴として、繊維の細部まで浸透した蝋が白い粉(ブルーム)となり表面に浮き出る場合があります。
■ベロア:牛革の裏面を起毛させた革。主に成牛革が使用されます。スエードと比べると毛足はやや長く、起毛が粗いのが特徴です。
揉み革:なめした革を揉み、表面に革特有のシボ(しわ)を出した革。揉むことで柔らかい革に仕上がります。

ランドセルの起源は軍の装備品

2016.06.30

「ランドセル」の語源はオランダ語

明治18年、東京に設立された学習院では、軍人が使用する「背嚢(はいのう)」に学用品や弁当などを入れ通学鞄として使用していました。この背嚢は、幕末に西洋式の軍隊制度が導入された際に取り入れられたもので、ランドセルのルーツといえるでしょう。
「ランドセル」という名前はオランダ語で背嚢を意味する「ransel(ランセル)」に由来するといわれ、現在まで受け継がれています。

伊藤博文の特注品

当時のランドセルは布のリュックサックのようなカタチだったそうです。現在のようなランドセルが誕生したのは明治20年頃のことであり、当時の総理大臣であった伊藤博文が、大正天皇の学習院入学を祝し、革製の丈夫な鞄を特注して献上したのが始まりとされています。

日本のランドセルは珍しい?

ランドセルはその後、背負うと両手が自由になるなどの長所から、小学生の通学鞄として広く普及しました。特に昭和30年代以降は全国の小学校に普及し、日本の小学生の必需品となっていきました。
実は、ランドセルのような通学鞄が普及している国は、ヨーロッパの一部を除いてほとんどありません。また通学鞄としてだけではなく、近年、海外では大人も使える実用性の高いファッションアイテムとして、ランドセルが人気を集めています。ランドセルは今や、日本独自に進化したオリジナル商品といっても過言ではないかもしれません。

「鞄」の語源と歴史

2016.05.23

 

「鞄」と漢和辞典を引くと「革をなめす職人」の意味があり、現代の日本で使われている意味が元来の中国語にはなかったようです。「鞄」は漢字で革職人を指す語であり、多くの国語辞典で「カバン」の語源は中国語で「ふみばさみ」を意味する「夾板(キャバン)」とされています。
しかし、明治期に生まれた「鞄」は革で包むの意から先に「鞄」の字があることを知らずにそのころ普及していた「カバン」という言葉の音をあてて作られた国字なのです。よって「鞄」は起源的に漢字とするのが正しいのですが、それを「カバン」と読むのは日本独自ということになります。

日本においてカバンを「ふみばさみ」と言っていた時代は、高貴な身分の人へ文を届ける際に無礼の無いように差し上げるための道具を指していました。この「ふみばさみ」は私たちが想像する手提げの「カバン」とは大きく違い、僧侶が担いで歩くものでした。

そもそも日本には手提げの携帯用具という物は少なかったようですが、平安末~鎌倉時代の初期に描かれた絵巻ものには曲げわっぱのようなものにひもをかけて担いでいる姿が描かれています。
また、江戸時代に描かれた風俗画では「風呂敷」が現在の「カバン」に最も近い用いられ方をしています。そんな中で、箱状の形ではありますが、天辺に取っ手をつけて「カバン」のように用いられた例があり、江戸で都市生活を営む人々の間で馴染みのある道具でした。
このようにして私達の使う「鞄」は変化をとげ、現在のような形になりました。



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